退職後の住民税 よくある質問
回答はすべて、地方税法の条文(e-Gov法令検索)と、総務省・都道府県・ 市区町村の公式ページを根拠にしています。 自治体ごとに異なる事項(税額・納期限・減免の基準)については、数値を断定せず、確認先を示す方針で書いています。
出典確認日 2026-08-12/全12問
質問一覧
- 退職したのに、なぜ住民税の請求が来るのですか?
- 住民税は、その年の所得ではなく前年の所得に対してかかる税だからです。地方税法第313条は「所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」と定めています。つまり、いま届いている請求は働いていた年の所得に対するものです。退職して収入が無くなっても、前年に所得があれば課税されます。さらに賦課期日は1月1日(第318条)で、その時点で住所があった市区町村が課税します。
- 退職したら住民税は一括徴収されますか?普通徴収になりますか?
- 退職した月で決まります。地方税法第321条の5第2項では、原則として退職した月の翌月以降の分は会社に徴収義務が無くなり、普通徴収(自分で納付書で払う)に切り替わります。ただし例外があり、1月1日から4月30日までに退職した場合は、本人の申し出が無くても5月31日までに支払われる給与や退職手当からまとめて天引きされます。6月1日から12月31日までの退職は、本人が申し出た場合にまとめて天引きできます。5月の退職はその年度の最後の月なので、まとめて引かれる残りがありません。
- 1月から4月に退職すると、なぜ選べずに一括徴収されるのですか?
- 地方税法第321条の5第2項ただし書きが、その事由が「その年の翌年の一月一日から四月三十日までの間において発生した場合」には、5月31日までに支払われるべき給与や退職手当から全額を徴収しなければならない、と定めているためです。会社の裁量ではなく法律上の義務です。ただし、天引きすべき額が支払われる給与・退職手当を超える場合は、その超える分は徴収されず普通徴収に切り替わります。
- 退職するときに必要な住民税の手続きはありますか?
- 本人が市区町村へ届け出る手続きは原則としてありません。地方税法第321条の5第3項により、給与の支払を受けなくなった人について、会社(特別徴収義務者)が給与所得者異動届出書を市区町村へ提出することになっています。本人がすべきことは、6月1日から12月31日に退職する場合に「残りをまとめて天引きしてほしいか、納付書で自分で払いたいか」を勤務先に伝えることです。普通徴収になった場合は、市区町村から納税通知書と納付書が届くので、それに従って納めます。
- 普通徴収に切り替わると、いつ払うことになりますか?
- 地方税法第320条は、普通徴収の納期を「六月、八月、十月及び一月中」において市町村の条例で定める、としています。おおむね年4回です。ただし同条には「特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる」というただし書きがあり、実際の納期限は市区町村の条例によって異なります。年度の途中で普通徴収に切り替わった場合は、残りの期数がまとめられて請求されることもあります。正確な納期限は届いた納税通知書と、お住まいの市区町村の案内でご確認ください。
- 退職金からも住民税が引かれました。これは別のものですか?
- 別のものです。退職金(退職手当等)に対する住民税は、地方税法第328条の「退職所得の課税の特例」により、他の所得と区分して分離して課税され、退職金が支払われるときに天引きされます。一方、このサイトが扱っているのは前年の給与などの所得に対する住民税で、6月から翌年5月にかけて徴収されるものです。退職時に給与から引かれた分、退職金から引かれた分、後日届く納税通知書の分は、それぞれ対象が違うので二重に課税されているわけではありません。
- 会社都合で退職した場合、住民税は安くなりますか?
- 会社都合の退職であることを理由に住民税が軽くなる、全国共通の制度は地方税法にはありません。住民税の額はあくまで前年の所得で決まります。ただし別枠として、地方税法第323条は「天災その他特別の事情がある場合」「貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者」について、当該市町村の条例の定めるところにより減免できると定めています。この条文は基準を条例に委ねているため、退職や失業を理由とする減免があるかどうか、その要件は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の窓口にご確認ください。
- 住民税が払えないときはどうすればいいですか?
- まず、放置せずにお住まいの市区町村の窓口へ相談してください。地方税法第15条は、災害・病気・事業の廃止や休止・事業の著しい損失などに該当し、一時に納付できないと認められるときは、申請に基づいて1年以内の期間を限り徴収を猶予できると定めています。猶予された金額を分割して納付させることもできる、とも定められています。また第323条の減免が使えるかどうかは自治体の条例によります。いずれも本人の申請が起点になるため、窓口へ相談することが最初の一手です。
- 退職した翌年に、また住民税の請求が来ることはありますか?
- あります。むしろそこが見落とされやすい点です。住民税は前年の所得に対してかかるため、退職した年に給与があれば、その所得に対する住民税が翌年の6月ごろに納税通知書として届きます。すでに会社を辞めているので給与天引きができず、普通徴収で自分で納めることになります。退職して収入が無い状態でまとまった請求が届くのはこのためです。トップページの判定では、退職月を入れるとこの請求がいつ来るかまで時系列で表示します。
- 再就職したら住民税はどうなりますか?
- 再就職先の給与からの天引き(特別徴収)に戻るのが原則です。地方税法第321条の4により、市町村は給与の支払をする者を特別徴収義務者として指定して徴収させることになっています。普通徴収で払っている途中に就職した場合、勤務先を通じて特別徴収へ切り替える手続きができることがあります。すでに納付書で納めた分は差し引かれます。切り替えの可否と手順は、勤務先の給与担当と、お住まいの市区町村にご確認ください。
- 引っ越した場合、住民税はどこに払いますか?
- その年度の住民税は、賦課期日である1月1日時点で住所があった市区町村に納めます。地方税法第318条が「個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする」と定めているためです。年の途中で引っ越しても、その年度分の納付先は変わりません。引っ越し先の自治体に払うのは、次の年度からになります。
- このサイトで住民税の金額は計算できますか?
- できません。意図的に計算していません。住民税の額は前年の所得と各種控除、そして自治体ごとの条例で定まる税率や均等割の額によって変わるため、全国共通の式で正確に出すことができないからです。総務省の解説も、標準税率を示したうえで「都道府県や市町村は自らの判断で税率を定め、納めるべき額を決定しています」と注記しています。あてにならない推計額を出すよりも、徴収の方法と時期という確定できることだけを示し、金額は納税通知書と市区町村の窓口で正確な数字を受け取っていただく方針にしています。
ここに答えが無かったら
住民税の具体的な金額・納期限・減免の可否は、 お住まいの市区町村の条例と処理によって決まります。 このサイトでは全国共通で言えることしか書いていないため、 個別の事情については市区町村の住民税担当窓口へお問い合わせください。 税務上の個別判断が必要な場合は、税務署または税理士にご相談ください。