1. 収入が無くても請求は来る
住民税は前年の所得にかかります。地方税法第313条は「所得割の課税標準は、 前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」 と定めています。退職して収入がゼロでも、 働いていた年の所得に対する住民税は請求されます。
会社を辞めると、しばらくしてから住民税の請求が届きます。 収入が無くなっているのに請求が来るのは、住民税が「前年の所得」に対してかかる税だからです。 そして、退職した月によって、残りの住民税を「最後の給与からまとめて天引きされる」か 「自分で納付書で払う」かが法律で決まっています。
このサイトは、その分岐と、これから請求が来る時期だけを確定させます。 金額の推計はしません(前年の所得と自治体の条例で変わり、全国共通の式が無いためです)。
出典確認日 2026-08-12/根拠=地方税法(e-Gov法令検索)・総務省・ 東京都主税局・市区町村の公式ページ
退職する(した)年と月を選んでください。地方税法第321条の5第2項に沿って、 残りの住民税がどう扱われるかと、これから請求が来る時期を表示します。
2026年8月に退職した場合/6月1日〜12月31日の退職
8月の退職は、地方税法第321条の5第2項ただし書きの「6月1日から12月31日まで」に当たります。残り9回分は、何もしなければ普通徴収に切り替わり、市区町村から納付書が届きます。勤務先に申し出れば、最後の給与や退職手当からまとめて天引きしてもらうこともできます。
根拠: 地方税法 第321条の5 第2項 本文+ただし書き(「六月一日から十二月三十一日までの間において発生し、かつ…納税義務者からの申出があつた場合」)
8月(退職した月)
退職した月の分までは、最後の給与から天引きされるのが原則
地方税法で会社の徴収義務が無くなるのは「退職した日の属する月の翌月以降の月割額」です。つまり8月分までは、これまでどおり給与から天引きされるのが原則になります。実際に何月分まで引かれるかは、給与の支払日と勤務先の給与計算の締めによって前後することがあるため、最後の給与明細で確認してください。
9月以降
残り9回分は、原則として自分で払う
2027年5月までに残っている9回分(9月分〜5月分)は、原則として普通徴収に切り替わり、お住まいの市区町村から届く納付書で自分で納めることになります。会社に申し出れば、最後の給与や退職手当からまとめて天引き(一括徴収)してもらうこともできます。どちらにするかは退職手続きのときに勤務先へ伝えてください。
2027年6月ごろ
令和9年度分の納税通知書が届く(2026年の所得に対する分)
退職した2026年の1月から8月までの給与も含めた、2026年の所得に対する住民税です。8か月分の給与があるため、まとまった額になることがあります。退職後に収入が無くても、前年の所得に対して課税されるため請求は届きます。会社を辞めているので給与天引きができず、普通徴収(納付書)で自分で納めます。退職の翌年に来るこの請求が、見落とされやすい山です。
2028年6月ごろ
令和10年度分(2027年の所得に対する分)
2027年の所得に対する住民税です。2027年に働いていなければ、この年度は課税されないか、ごく小さい額になります。再就職した場合は、その勤務先での給与天引き(特別徴収)に戻るのが原則です。非課税になる基準は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村にご確認ください。
ここで確定できるのは徴収の方法と時期だけです。 金額は前年の所得と、お住まいの自治体が条例で定める税率・均等割によって変わるため、 このサイトでは推計しません。正確な金額は納税通知書と市区町村の窓口でご確認ください。 退職月による分岐を条文で確認する
住民税は前年の所得にかかります。地方税法第313条は「所得割の課税標準は、 前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」 と定めています。退職して収入がゼロでも、 働いていた年の所得に対する住民税は請求されます。
1月1日から4月30日までの退職は、本人が希望しなくても、 残りの住民税が最後の給与や退職手当からまとめて天引きされます。 会社の判断ではなく法律上の義務です。 最後の手取りが想定より大きく減るのはこのためです。
退職した年にも給与があれば、その所得に対する住民税が翌年6月ごろに届きます。 すでに会社を辞めているので天引きができず、納付書で自分で納めることになります。 無職の状態でまとまった請求が届く、いちばん見落とされやすい山です。
| 退職した月 | 残りの住民税の扱い | 本人の申し出 |
|---|---|---|
| 6月1日〜12月31日 | 原則は普通徴収(市区町村から届く納付書で自分で払う)。 申し出れば最後の給与・退職手当からまとめて天引きもできる。 | 申し出れば一括徴収を選べる |
| 1月1日〜4月30日 | 申し出が無くてもまとめて天引き(一括徴収)される。 天引き額が給与・退職手当を超える分は普通徴収へ。 | 不要(法律上の義務) |
| 5月1日〜5月31日 | その年度の最後の月なので、まとめて引かれる残りは無い。 6月からの新年度分は普通徴収へ。 | — |
住民税の額は、前年の所得と各種控除に加えて、 お住まいの自治体が条例で定める税率・均等割の額によって変わります。 総務省の解説も、所得割10%・均等割4,000円という標準を示したうえで、 「都道府県や市町村は自らの判断で税率を定め、納めるべき額を決定しています」 と注記しています。つまり全国共通の式で正確な額を出すことはできません。
外れる可能性のある推計額を出すよりも、法令から一意に定まること ——徴収の方法と、請求が来る時期——だけを示し、 正確な金額は納税通知書と市区町村の窓口から受け取っていただくのが、 結果的にいちばん早いと考えています。
正確な金額を知る順番。①このサイトで「いつ・どの方法で請求が来るか」を確定させる → ②届いた納税通知書で実額を確認する → ③金額や納期に不安があれば、通知書を持ってお住まいの市区町村の 住民税担当窓口に相談する。
退職後に届く請求は住民税だけではありません。健康保険と国民年金は、住民税と違って 「いつまでに手続きするか」が法令で決まっており、しかも期限が先に来ます。 任意継続の申込は資格喪失日から20日以内、国民年金の切り替えは退職日の翌日から14日以内です。 住民税の払い方が分かったら、期限のある2つを先に片づけてください。